確定拠出年金の自動移管という制度をご存知でしょうか?
この自動移管はデメリットだらけの悪魔の制度です。
自動移管とは企業型確定拠出年金に加入していた人が、会社を退職した際に手続きを行わなかった場合に発動される制度です。
この自動移管が行われるまでのタイムリミットは「6ヶ月(半年)」です。
ん?そういえば、以前働いていた会社に企業型確定拠出年金があったな。
という人は要注意です。
実は自動移管された結果、毎月の手数料で貴重な資産がゼロ円になってしまった人が約20万人以上います。
その他、資産が百万円以上ありながら、放置されているケースも散見されます。
自動移管の制度とデメリットを理解した上で、該当しないよう注意するために、詳しく解説していきます。
確定拠出年金が自動移管されるケース
冒頭でも触れましたが、確定拠出年金が自動移管されるケースを理解しておきましょう。
勤めていた会社で「企業型確定拠出年金」を運用していた場合は注意が必要です。
この会社を転職や結婚などで退職した際に、何も手続きを行っていない場合は自動移管されている可能性が高まります。
企業型確定拠出年金を運用していた人が退職した場合、退職の翌月から数えて、6ヶ月以内に手続きを行わない場合、資産が自動移管されます。
自動移管される際は、投資信託などの資産が全て現金化されます。
更に、自動移管手数料として「4,269円」が差し引かれます。
自動移管された、あなたの資産は国民年金基金連合会へ移されます。
更に、自動移管されることで4つのデメリットがあります。
自動移管による4つのデメリット
先ほど、ご説明した自動移管には4つのデメリットがあります。
- 運用されない
- 60歳の時点で受け取れない
- 手数料が毎月かかる
- 加入期間にカウントされない
簡単なポイントを見ただけでも、ゾッとするデメリットばかりです。
それぞれ詳しく解説していきます。
1:運用されない
自動移管される際に、現金化されたあなたの大切な資産は運用されません。
つまり、現金のまま放置されています。
後述する手数料が発生するため、現金は確実に毎月、減少を続けていく運命が待っています。
あなたが毎月、貯めてきた資産は現金化され、目減りを続けていることになります。
2:受け取れない
もし、自動移管されたまま現金を放置していた場合、60歳になっても受け取ることができません。
あなたの資産を受け取るためには、iDeCo(イデコ)の口座を開設し、資金を写す必要があります。
放置している人の中には、60歳になったら受け取るし、放置しておこうと考えている人がいるかもしれません。
しかし。
このままでは受け取れませんのでご注意ください。
3:手数料がかかる
自動移管されたあなたの資産は、手数料が差し引かれ続けます。
この手数料は月額で「51円」となっています。
また、自動移管された資産をiDeCo(イデコ)等に移す場合も、手数料がかかります。
自動移管されることで不要な手数料を数多く取られしまうことになります。
4:加入期間にカウントされない
自動移管されている期間は加入期間としてカウントされません。
これは大きな問題です。
iDeCo(イデコ)を60歳で受け取るためには10年以上の加入期間が必要になります。
企業型確定拠出年金に加入して、10年未満のタイミングで退職した人は注意が必要です。
自動移管を解消する方法
ここまで自動移管に関するデメリットばかりお伝えしてきました。
「もう既に自動移管されている」という人はどうすれば良いのでしょうか?
それは、新たにiDeCo(イデコ)や企業型確定拠出年金に加入して、資産を移す必要があります。
iDeCo(イデコ)へ新たに加入する場合は、金融機関を選択し、加入することができます。
詳細は国民年金基金連合会へ問い合わせると安心です。
まとめ
今回は企業型確定拠出年金に加入していた人にとって注意が必要な「自動移管」についてご紹介しました。
おさらいしておきましょう。
- 退職後、6ヶ月以内に手続きしないと自動移管
- 自動移管はデメリットだらけ
これだけは覚えておいてください。
あなたの資産を効率よく運用して、老後資産の形成を目指しましょう。