iDeCo(イデコ)の運用において定期預金を選択する場合、知っておいていただきたことをご紹介します。
iDeCo(イデコ)はあなたの大切な資産を形成するために行う、未来への貯金です。
そのため、せっかく貯めたお金が減ってしまうことを恐れ、投資信託へ投資したくない気持ちもわかります。
定期預金であれば、元本が保証されるため、お金が減ることはありません。
しかし。
iDeCo(イデコ)の制度を活用した定期預金の運用は「もったいない」と言わざるを得ません。
また、iDeCo(イデコ)で運用される定期預金はあなたが知っている従来の定期預金と異なります。
定期預金運用の実態を理解した上で、それでも定期預金を活用するかどうか判断してください。
それでは、iDeCo(イデコ)における定期預金運用についてご紹介します。
iDeCo(イデコ)における定期預金運用の実態
iDeCo(イデコ)の制度を活用して、運用する場合、定期預金は特殊な運用体系となります。
また、定期預金はいわるゆる「普通預金」も含んだ、預金として扱われます。
これが何を意味するか、理解しておくことも重要です。
ポイントは2つあります。
- ペイオフの対象となる
- 毎月の掛け金で年間12本の定期預金が作られる
それぞれ、詳しく解説していきます。
iDeCo(イデコ)の定期預金はペイオフの対象
あなたはペイオフという言葉をご存知ですか?
ペイオフとは、金融機関が破綻した場合、預金者は1000万円を上限とした預金とその利息が保証されるという制度です。
つまり、1億円預けていた銀行が破綻しても、1000万円+利息しか変換されない可能性があります。
多くの人にとっては、あまり関係のない話です。
しかし。
iDeCo(イデコ)をメガバンクや地方銀行で運用している場合は注意が必要です。
例えば、普段の給与振込口座や貯金用の口座と同じ銀行でiDeCo(イデコ)を利用している場合は特に注意してください。
なぜなら、iDeCo(イデコ)を含めた全ての預金がペイオフの対象となるからです。
具体的な例を挙げます。
- 生活用口座(給与振込):300万円
- 貯金用口座:500万円
これらをあるメガバンクに預けているとします。
そこに加えて、iDeCo(イデコ)を通じた定期預金運用「500万円」が加わるとどうなりますか?
合計額が1300万円となり、ペイオフの範囲を超えてしまいます。
定期預金運用はペイオフの対象となることを覚えておくことが重要です。
年間で12個の定期預金が作られる
iDeCo(イデコ)は毎月の掛け金を継続して続けていくことに意味があります。
しかし。
定期預金運用では、この毎月掛け金が裏目に出てしまいます。
例えば、毎月2万円の掛け金を支払っているケースを考えます。
1月預けた2万円は定期預金1番として、預けられます。
次に、2月に預けられた2万円は定期預金2番として運用されるのです。
つまり、1年間で12回に分けた2万円が12本の定期預金として運用されることになります。
更に、自動更新の設定をしている場合、満期を迎えた1番の定期預金は2万円+利息が、新たに定期預金とされるため、無限に定期預金が増えていく仕組みになっています。
複利の効果も期待できないため、あまり良くない運用例となってしまうことを理解してください。
制度面で見た定期預金をおすすめしない理由
iDeCo(イデコ)の運用において定期預金運用がどのように行われているか実態を理解していただきました。
次に、iDeCo(イデコ)の制度面から見て、定期預金はあまりおすすめできない理由をご紹介します。
それは「運用益の非課税」が関係しています。
iDeCo(イデコ)は運用で得た利益に対して課税されません。
そのため、投資信託などで大きな利益が出た場合でも、従来の運用益に対して20%課税を避けられることになります。
このメリットから見ても、投資信託などである程度の運用益を狙いに行くことがセオリーであることがわかります。
もちろん、投資信託は良い時もあれば下がる時もあります。
しかし。
iDeCo(イデコ)は長期的な資産形成を目的としています。
日本に住んでいると、日本株が長期的に成長していないイメージがあるかもしれません。
一方、アメリカを含む世界では堅調な成長が続いています。
これらの成長をあなたの資産にも反映させ、老後資産の形成に寄与させることが重要と言えます。
まとめ
今回はiDeCo(イデコ)の定期預金運用についてまとめました。
おさいしておきます。
- 定期預金運用はペイオフの対象となる
- 複利効果が見込めない
- 運用益が非課税のメリットが活かせない
これらの理由からiDeCo(イデコ)においては定期預金を選択することはおすすめできません。
iDeCo(イデコ)の資産だからこそ、思い切って投資信託を通じた資産形成を目指して見ませんか。